【2024年版】フィリピンの賞与・昇給の動向について
年末も近くなり、昇給や賞与について気になる季節になってきたかと思います。弊社でも昇給や賞与についての質問をよく頂きます。そこで今回は、2024年のフィリピンにおける賞与および昇給の動向について、記載します。今後のフィリピンの方針を検討する際に少しでも参考になれば幸いです。
目次
2024年の昇給動向
フィリピンにおける昇給率は、業種や職位によって大きな違いは見られません。一方、現地採用の日本人のみを見てみると、フィリピン人によりも低い傾向があります。
- 平均昇給率:
製造業の平均昇給率は4.3%、非製造業では4.5%と、非製造業の方がわずかに高い傾向があります。特にスタッフ職の昇給率は4.7%と、全職種の中で最も高い数字を記録しています。 - 職位別の特徴:
- マネージャー職: 製造業では4.3%、非製造業では4.5%と、非製造業がやや高い傾向。
- リーダー/シニア職: 製造業は4.4%、非製造業は4.5%と僅差ですが、非製造業が優位です。
- スタッフ職: 製造業は4.4%、非製造業では4.7%と、非製造業が引き続き高い数字を維持しています。
- 日本人ローカル社員: 昇給率は製造業が3.8%、非製造業が4.3%で、非製造業が上回っています。
- 2023年との比較:
前年と比較すると、全体的に昇給率はほぼ横ばいで推移していますが、職位によって変化が見られます。特にスタッフ職では、2023年の4.5%から2024年に4.7%へ上昇しており、企業が若手従業員への投資を強化していることが伺えます。
以下データリソース
2024年の賞与動向
賞与に関しては、製造業・非製造業ともに半分近くが13ヶ月ペイのみの支払いとなっている一方、半分超はプラスアルファで賞与を支払っています。
- 製造業の賞与状況:
製造業においては、「13ヶ月目の給与のみ」の支給が全体の43%を占めており、最も多い結果となっています。続いて、「13ヶ月目+1ヶ月の賞与」が37%を占めております。 - 非製造業の賞与状況:
製造業においても「13ヶ月目の給与のみ」の支給が全体の45%を占めており、最も多い結果となっています。続いて、「13ヶ月目+1ヶ月の賞与」が27%を占めております。 - その他の傾向:
業界全体での「13ヶ月目+3ヶ月以上の賞与」は2〜3%と少数派ですが、業績の良い企業ではこうした支給も行われています。
データリソースについて
本レポートは、2024年7月15日から7月24日にかけて収集されたデータをもとに作成されています。調査対象となった企業の業種や所在地、従業員規模は以下のとおりです。
まとめ
皆さん、ご存知の通り、フィリピンは、給与水準の割に物価が高く、給与に加えて、賞与や昇給について非常に敏感になる方が多いです。こうした背景を踏まえ、従業員の満足度を高め、企業の競争力を維持するためには、適切な報酬体系の構築が必要となります。
本レポートが、貴社の人材管理や経営方針の検討に役立つ情報となれば幸いです。当社では、最新の採用の市場動向に基づいたアドバイスも実施しております。ご不明点やご相談がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。