【2025年版】日本人現地採用の給与相場ガイド|タイの日系企業向け

「バンコクで日本人を採用する場合、いくら提示すればいいのか?」 「他社と同じ待遇で、本当に優秀な人材を確保できるのか?」

そんな疑問にお応えすべく、RCX Recruitmentでは2025年最新版の日本人現地採用・給与相場を職種別・役職別・スキル別にまとめました。

あわせて、福利厚生の導入率や、採用競争力を高める5つのポイントも徹底解説。

採用のご担当者様はもちろん、経営判断を担う皆さまにとっても、実務に直結する情報満載の内容です。

タイで日本人を現地採用する企業にとって、給与設定は採用成功を左右する重要なポイントです。競争力のある給与を提示することで、優秀な人材を採用しやすくなるだけでなく、定着率の向上にもつながります。

<調査概要>
対象者:在タイの日系企業
回答数:380社
調査方法:弊社タイ法人による企業ヒアリング及びウェブ調査
調査期間:2023年6月


目次

日本人の職種別の給与相場(現地採用)

Screenshot

タイにおける日本人現地採用の給与相場を、職種別に一覧でご紹介します。各ポジションごとに、実際の提示レンジに基づいた目安をまとめています。相場を把握することで、適正な条件設定や他社との比較がしやすくなります。まずは全体像をつかむ参考情報として、以下の表をご確認ください。

職種別

職種バーツ(最小)バーツ(最大)円換算(最小)円換算(最大)
営業60,000120,000270,000540,000
製造技術者80,000130,000360,000585,000
IT70,000120,000315,000540,000
セールスエンジニア70,000120,000315,000540,000
コンサルティング100,000200,000450,000900,000
経営幹部100,000200,000450,000900,000
デザイナー70,000120,000315,000540,000
事務職50,00070,000225,000315,000
財務会計80,000150,000360,000675,000
接客50,00080,000225,000360,000
人事60,00080,000270,000360,000
カスタマーサポート30,00060,000135,000270,000
タイ現地採用日本人の給与相場(1バーツ=4.5円 2025年3月時点)

上記は日系企業のバンコク及びバンコク郊外を想定。なお、バンコクと地方(チョンブリ、アユタヤなど)でほぼ同水準となっています。これは、地方では日本人採用が難しく、バンコク同等の待遇を提示する必要があるためです。

日本人の役職別の給与相場(現地採用)

続いて、役職に応じた日本人現地採用者の給与相場をご紹介します。新卒・若手層では法定最低賃金に近い水準から始まることが多い一方で、管理職以上になると10万バーツを超えるケースも珍しくありません。ポジションごとの期待役割に応じて、給与水準にも明確な差が見られます。

職位別

職位月給(バーツ)円換算
スタッフ(新卒~経験3年)50,000~70,000約22.5万~31.5万円
部門マネージャー80,000~120,000約36万~54万円
GM・経営幹部クラス100,000~200,000約45万~90万円
タイ現地採用日本人の給与相場(1バーツ=4.5円 2025年3月時点)

日本人の職種及び役職ごとの給与相場(現地採用)

続いて、各職種及び役職別の給与相場を紹介します。職種によって若干の給与の違いが見られます。

営業職の役職別給与目安

役職月給(バーツ)必要なスキルの目安
営業スタッフ60,000~80,000営業経験・日常会話程度の英語
営業主任70,000~90,000営業経験・業界経験3年以上・英語
営業マネージャー80,000~120,000マネジメント経験、業界経験5年以上
タイ現地採用日本人の給与相場(1バーツ=4.5円 2025年3月時点)

製造技術者の職務別給与目安

役職月給(バーツ)必要なスキルの目安
生産管理80,000~130,000製造業での実務経験
品質管理80,000~130,000QC・ISO関連知識
工場長100,000~150,000工場長経験
タイ現地採用日本人の給与相場(1バーツ=4.5円 2025年3月時点)

IT・セールスエンジニア職の職務別給与目安

役職月給(バーツ)必要なスキルの目安
プログラマー70,000~100,000基本的なプログラミングスキル
システムエンジニア80,000~150,000要件定義~開発経験、社内外との調整力
プロジェクトマネージャー100,000~200,000マネジメント経験、英語・日本語のバイリンガル対応
タイ現地採用日本人の給与相場(1バーツ=4.5円 2025年3月時点)

タイの日本人の最低賃金

なお、タイでは、外国人(日本人を含む)に対して最低月給50,000バーツ(約22.5万円)が法令で定められています。これはあくまで法定の下限であり、実際には職種や経験、語学力などによって給与は大きく異なります(一部、BOIなど企業条件により最低月給は異なります)。

日本人の福利厚生(現地採用)

給与条件だけでは採用力は十分とは言えません。近年では、福利厚生の充実が採用競争力を左右する重要な要素となっています。ここでは、日系企業が実際に導入している福利厚生の内容と、その導入率を一覧でご紹介します。待遇面の見直しや差別化のヒントとして、ぜひご活用ください。

項目内容・補足導入率(目安)
賞与年1〜4ヶ月分(企業業績・個人評価による)コミッションがない事務職・エンジニアの場合、2ヶ月程度
住宅手当月5,000〜15,000バーツの住宅手当支給約20%
通勤手当実費支給約60%
自動車貸与通勤用自動車の貸与(ガソリン代込みの場合もあり)工業団地にある企業は約90%
携帯電話支給会社支給の携帯貸与約70%
民間医療保険入院・通院カバーの保険を企業が負担約60%
一時帰国手当年1〜2回の航空券費用を補助約20%
健康診断年1回の健康診断を企業負担で実施約80%
ビザ&ワークパーミット取得費用就労ビザ・WPの取得/更新を企業が全額負担約90%以上
赴任時の渡航費初回赴任時の航空券や移動費を企業が補助約30%
プロビデントファンド任意加入の退職金積立制度約30%
タイ現地採用日本人の給与相場(1バーツ=4.5円 2025年3月時点)

福利厚生の内容は企業ごとに異なりますが、特に競争力のある企業は「住宅+通勤+医療」の3点セットをしっかり整えている傾向があります。

特に車通勤が必要な工業団地エリアでは、自動車貸与の有無が候補者の意思決定に大きく影響します。福利厚生を充実させることで、同水準の給与であっても他社との差別化が可能です。


採用競争力を高めるためのポイント

日系企業がタイにおいて日本人の現地採用で採用競争力を高めるためには、給与の見直しはもちろんのこと、以下の5つが重要ポイントです。

  1. 市場水準に合った給与設定:ターゲットとする人材のレベルに応じた競争力のある給与レンジを提示することが重要です。
  2. 福利厚生の充実:住宅手当、自動車貸与、医療保険、帰国費用などの支援を整えることで応募率・定着率が向上します。
  3. ビザ・ワークパーミットの迅速な手配:採用決定後のスムーズな着任を実現するため、社内の体制整備を行いましょう。
  4. キャリアパスの提示:昇進やスキルアップの制度があることで、長期的な活躍を希望する人材への訴求力が高まります。
  5. 面接から内定までのスピード感:優秀な人材を逃さないために、迅速な選考対応が求められます。

おわりに

現地採用で日本人を採用する際は、相場を把握しつつ、自社の採用戦略や人材要件に沿って給与水準を設計することが重要です。

RCX Recruitmentでは、タイ現地での日本人採用に関する豊富な実績と知見をもとに、求人票作成から候補者との条件交渉まで、トータルでサポートしております。

ご相談・サービス利用はすべて無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。

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