フィリピンでNGなマネジメントスタイルは?
私自身、タイ・ベトナム・フィリピンでマネジメントをし、また、多くのお客様の人材採用支援に従事してきました。
その経験を通じて、異文化間でのコミュニケーションやマネジメントの難しさを実感しています。
そこで今回のメルマガでは、私がこれまでの経験を通して学んだ
日本人の新人マネージャーが陥りやすい「海外でNGなマネジメント10選」をご紹介します。
多くがフィリピンにも当てはまると思います。
異文化環境での円滑な人材マネジメントのヒントとして、少しでも参考になれば幸いです。
1. 人前で怒る
たとえ上司が正しいことを言っていても、
部下は人前で叱責されることに不快感を抱き、内容が全く頭に入らないです。
人前で叱る行為は相手に恥をかかせることであり、
その後どれだけフォローしても、関係が回復しないほどのNG行為です。
叱る場合は、周りに聞かれない個室などで行う必要があります。
2. 感情的に怒る
感情的に怒ることは、部下から幼稚と思われ、
上司としての価値を下げることになります。
また、部下が上司に恐怖心を抱き、正しい情報が入ってこなくなったり、
タイムリーな報告がなくなるなど、業務に支障が出ます。
人前で怒ることや感情的に怒る行為は、
本人だけでなく周囲の人々も上司への信頼を失う原因となります。
3. 一貫性がない
言うことがころころ変わる上司には、部下はついてきません。
一貫性の大切さは世界共通のルールです。
昨日と言っていることと今日言っていることが異なる、言動が一致しない、
経営方針と行動が異なるといった点に注意が必要です。
4. 基準がない
思いつきや気分でマネジメントは避ける必要があります。
マネジメントの基準を持つべきです。
経営方針・ルール・評価制度・行動指針などの明文化されたもの、
数値などの事実に基づく客観的なものである必要があります。
5. 言葉足らず
海外では、言いたいことの半分も伝わらないことがあります。
言葉の壁により言いたいことの70%しか伝えられず、
商習慣の違いにより70%しか伝わりません(70%×70%=49%)。
より多くのコミュニケーションを取るか、
評価基準・ルールを明文化し、価値観・基準を揃えることで、
伝わらないコミュニケーションを補う必要があります。
6. 言行が一致しない
口だけの上司になってはいけません。
部下は上司の言行が一致しているかを見ています。
上司自身が経営方針・ルール・行動指針を最も体現している必要があります。
7. 多様性への理解の欠如
日本は単一民族で同じ言葉や共通の価値観がありますが、
海外では異なる人種・国籍・言葉・宗教と働く必要があります。LGBTも含まれます。
価値観や商習慣も違います。
多様性を尊重し、彼らの力を最大限発揮させることがビジネス成功の鍵です。
8. スタッフの家族への理解の欠如
海外では、家族に対するマインドシェアが大きく、
家族のために仕事が存在します(日本人は仕事のために家族が存在しがちですが)。
会社を続けるか辞めるかも家族が意思決定することが多いです。
家族が自社のファンになれば、家族のサポートも得られ、会社へのロイヤリティも上がります。
結果的に離職率の軽減に繋がります。
家族を敵に回してはいけません。
9. スタッフの健康面への理解の欠如
海外では少しの熱や風邪でも欠勤してしまう傾向があります。
東南アジアでは多くの国で病欠は有給であり、国が認めている制度です。
無理に出社させようとしたり、体調管理も仕事の一つと説教してはいけません。
体調不良で休むことを許容しつつ、高い生産性を維持する必要があります。
10. 働いている国に対しての敬意がない
働いている国や自社の社員に対して否定的な発言をすることは、
信頼関係の構築にマイナスの影響を与えることがあります。
私たちは外国人としてその国で働かせていただいている立場であることを忘れず、
現地の文化や習慣に感謝し、相互理解を深める姿勢を心がける必要があります。
まとめ
以上が、「海外でNGなマネジメント10選」です。
現地スタッフが安心して働ける環境を整えることは、企業の競争力を高める大きな要素です。
スタッフが安心して働ける環境を作ることで、企業としての競争力も高まります。
もし上司のマネジメントが不十分な場合でも、部下が上司に直接指摘することはありません。
指摘する勇気やメリットがないため、何も言わずに静かに去っていくことが多いのです。
私たちが海外で働く際には、相手の立場に立ち、相互理解を深めることが重要です。
今回の内容を参考にしていただき、より良いマネジメントを実践していただければ幸いです。