タイ人採用プロセスの全体像|上流・中流・下流6ステップで見る採用成功の設計図【2026年版】

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タイで採用活動を進める中で、「応募が集まらない」「書類選考が進まない」「内定を辞退される」といった悩みを抱えていませんか?実は、こうした課題の多くは採用プロセス全体のどこかにボトルネックがあることが原因です。

日本では人事部が採用専任チームを持つのが一般的ですが、タイ拠点では他業務を兼務する駐在員が採用まで担当するケースが大半です。採用経験がないまま異国の地で人材獲得を任されるのは決して珍しくなく、多くの日系企業が同じ状況に直面しています。

この記事では、タイ人採用プロセスの全体像を上流・中流・下流の6つのステップに分けて解説します。全体像を把握することで、自社のボトルネックを特定し、採用効率を劇的に改善する糸口が見えてくるはずです。

この記事は、RCXのYouTube動画の内容をもとに再構成したものです。

目次

タイ人採用がうまくいかない理由

タイで採用活動に携わる日本人責任者からは、次のような声がよく聞かれます。

  • 自社の採用のやり方が正しいのか分からない
  • タイ人HRに任せているが一向に採用が進まない
  • 採用活動がブラックボックス化しており、何をどう改善すればいいのか見えない

こうした悩みが生まれる背景には、構造的な問題があります。日本では営業や技術の最前線にいた方が、タイ赴任後に突然採用責任者を兼務するケースが非常に多いのです。

しかも、すでに複数のミッションを抱えて多忙な中で、採用業務まで担当しなければならない。日本で採用経験がないまま、慣れない異国の地で採用を進めるのはごく普通のことであり、うまくいかなくても決しておかしくありません。

他の日系企業も同じ状況です。まずはこの現状を受け止め、採用プロセス全体を理解することから始めましょう。


採用プロセスの全体像を把握する重要性

タイで採用に関わるようになったら、まず最初にやるべきことが採用プロセスの全体像を把握することです。

全体像を理解しないまま採用を進めると、どうしても対処療法的になってしまいます。どこに本当のボトルネックがあるか分からないため、改善しようにも的を絞れません。

逆に全体像を押さえれば、「うちはここが詰まっている」というボトルネックが明確になります。そこを集中的に改善すると、水が一気に流れるように採用プロセスが劇的に好転することがよくあります。

実際の採用プロセスは「募集して面接して採用する」という単純なものではなく、上流・中流・下流の3つの工程と、全6つのステップで構成されています。

工程ステップ主な内容
上流工程①求人作成職種・給与・福利厚生・応募要件の設計
上流工程②集客採用媒体の選定と候補者の獲得
中流工程③書類選考履歴書の選考とスピード対応
中流工程④面接日程調整・面接実施・候補者の引きつけ
下流工程⑤オファー内定提示と承諾獲得、入社前フォロー
下流工程⑥入社入社手続き、試用期間、定着支援

この6つのプロセスは1本の水の流れのように繋がっています。どこか1つでも詰まると、その先に水(候補者)が流れなくなります。


上流工程:募集フェーズの2つのステップ

①求人作成|採用プロセスの起点となる重要工程

採用プロセスの最初のステップが求人作成です。どんな人をどんな条件で募集するのか、以下の要素を明確に文書化します。

  • 職種・仕事内容
  • 給与(月給・賞与・昇給制度)
  • 福利厚生(医療保険・交通費・住宅手当など)
  • 応募要件(学歴・経験・スキル)
  • 歓迎条件(語学力・業界経験など)

タイ人求職者はこの求人情報を見て応募するかどうかを判断します。つまり、ここが採用プロセス全体の起点となります。

ここで最も重要なのは、市場の給与相場と適切な福利厚生を把握することです。タイでは職種・役職・エリアによって給与レンジがある程度決まっています。

この相場を把握せず、自社の予算ベースだけで給与を設定すると、相場を下回る求人になってしまう可能性があります。その場合、応募が集まらない、あるいは来たとしても求めるスキルとは少しずれた人材が集まってしまいます。

求人作成の落とし穴結果
給与相場を把握していない応募が集まらない
福利厚生の記載が曖昧他社に見劣りして辞退される
仕事内容が抽象的ミスマッチな応募が増える

起点となる求人がしっかり作れていないと、その後に水は流れません。ここは採用成功の鍵を握る非常に重要なポイントです。

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②集客|ターゲット層に合わせた採用媒体の使い分け

作成した求人をどの採用媒体に出して、どう候補者を集めるかを決めるのが集客ステップです。

タイには以下のような多様な採用媒体があります。

  • 求人サイト(JobThai、JobsDB など)
  • 人材紹介会社(エージェント)
  • SNS(Facebook、LinkedIn など)
  • リファラル(社員紹介)
  • ジョブフェア(大学・業界イベント)

ここで大切なのは、媒体によって集まる人材の層が異なるということです。

採用媒体向いている採用ターゲット
求人サイト若手~中堅層、オペレーション職
人材紹介会社マネージャー層、専門職、バイリンガル人材
SNS若手層、IT・マーケティング職
リファラル信頼できる即戦力人材
ジョブフェア新卒・第二新卒

例えば、マネージャーを採用したいのに求人サイトだけに頼っている、あるいは新卒を採るのにエージェントを使ってコストをかけすぎているといったミスマッチは非常によくある失敗例です。

採用する人材の層に合わせて採用媒体を使い分けることが、効率的な集客の鉄則です。

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中流工程:選考・面接フェーズの2つのステップ

③書類選考|スピードがボトルネックになりやすい工程

候補者が集まった後、届いた履歴書を見て面接をするかどうか判断するのが書類選考です。

ここで何よりも大事なのがスピードです。自社にとって良い人材は、他社にとっても良い人材です。選考に時間をかけてしまうと、いざオファーを出そうとした時にはすでに他社で決まっていることがよくあります。

タイの採用でスピードが大事なことは、多くの方が理解されています。しかし実態はどうかというと、人事担当者が良い候補者の書類選考を放置してしまっているケースが非常に多いのです。

もちろん人事担当者も他の業務を抱えて忙しく、悪気があるわけではありません。ですが結果として、選考スピードの遅さが採用失敗の最大のボトルネックになっている企業が少なくありません。

逆に言えば、ここはコストをかけなくても社内プロセスを見直すだけで劇的に改善できるポイントでもあります。

https://rcx-recruitment.com/th/thailand-recruitment-document-screening-speed/

④面接|選ぶ側ではなく「選ばれる側」の意識を持つ

面接ステップでは、面接日程の設定と面接の実施を行います。

まず面接設定についてですが、タイでは面接のキャンセルが日常茶飯事です。統計上、面接を組んでも約3割はキャンセルになります。特に応募から面接までの日数が空いてしまうと、一気にキャンセル率が上がります。

ですので、極力早めに面接を設定することが鉄則です。

次に面接の実施についてです。ここで1つ大事な考え方をお伝えします。

良い人材を採用する時、自社は選ぶ側ではなく選ばれる側になっているということです。

自社が「良い」と思っている候補者は、他社からも同じように「良い候補者」と思われています。つまり、自社が選んでいるように見えて、実は選ばれているのです

一昔前までは日系企業というだけで人気があり、選べる立場でした。しかし近年は外資系企業やローカル優良企業との採用競争が激化しており、日系企業の採用難易度は年々上がっています。

だからこそ、候補者に「この会社で働きたい」と思ってもらえる引きつける面接が必要になります。この意識を持つだけで、面接の対応や候補者への接し方が変わります。

外資系企業やローカル企業との比較データを把握しておくと、面接時の条件交渉でも説得力のある提案ができるようになります。


下流工程:オファー・入社フェーズの2つのステップ

⑤オファー|内定承諾率70%を下回る場合は要注意

面接が終わった後、オファーを出して内定承諾をもらい、入社前のフォローまでを行うのがオファーステップです。

タイにおけるオファー後の内定承諾率は平均で約70%です。つまり、10人にオファーを出すと7人は承諾される計算です。

もし自社の承諾率がこれを大きく下回る場合は、オファー内容やオファープロセスに何か問題がある可能性があります。

内定辞退の主な原因対策
給与・福利厚生が他社より低い市場相場の再調査、条件の見直し
オファー提示が遅い面接後24時間以内の提示を目指す
入社までのフォロー不足定期連絡、ランチ招待、入社書類の早期提出

また、オファーを受けてもらった後も油断はできません。タイでは現職を退職するのに約1ヶ月かかります。その間に気が変わってしまう候補者もいます。

そのため、定期的に連絡を取る、入社書類を先に出してもらう、会社のランチに招待するといった小さなフォローが、入社辞退を防ぐために非常に大切です。

オファー交渉の具体的なテクニックについては、下記の記事で詳しく解説しています。

最終条件の提示方法や交渉時の注意点を把握しておくことで、内定承諾率を大きく改善できます。

⑥入社|本当のゴールは定着と活躍

ここまでのプロセスを経て、ようやく採用活動のゴール=入社となります。

ただし、もちろん入社して終わりではありません。ここからが本番です。

  • 試用期間の通過
  • 定着(早期離職の防止)
  • 活躍(パフォーマンス発揮)

これが本当のゴールです。入社後のオンボーディングや定着支援については、また別の機会に詳しくお伝えします。


採用プロセス全体を俯瞰して見えるボトルネック

ここまで、タイ人採用プロセスの全体像を上流・中流・下流の6ステップに分けて解説してきました。

改めて全体像を表にまとめると以下のようになります。

ステップ重要ポイントよくあるボトルネック
①求人作成市場相場の把握、魅力的な条件設計給与が相場を下回り応募が来ない
②集客ターゲット層に合った採用媒体の選定媒体とターゲットのミスマッチ
③書類選考スピード対応(24時間以内が理想)選考の遅れで他社に流れる
④面接選ばれる側の意識、引きつける面接面接日程が遅い、魅力を伝えきれない
⑤オファー内定承諾率70%を維持、入社前フォローオファー提示が遅い、条件が他社に劣る
⑥入社オンボーディング、定着支援入社後フォロー不足で早期離職

これらの6つのプロセスは1本の水の流れのように繋がっています。どこか1つでも詰まると、その先に候補者という水が流れなくなります。

全体像を把握できれば、どこがボトルネックになっているかが明確になります。そこを集中的に改善することで、採用効率が劇的に向上します。

採用活動の最初の一歩や、そもそも何から始めるべきかについては、下記の記事も参考になります。

採用の基本設計や最初に取り組むべき優先順位について、実務的な視点で解説しています。


まとめ

今回は、タイ人採用プロセスの全体像について、上流・中流・下流の6つのステップに分けて解説しました。

  • 求人作成と採用媒体の選定が適切でないと、そもそも候補者が集まらない 市場相場を把握し、ターゲット層に合った媒体を使い分けることが採用成功の起点となります。
  • 書類選考のスピードがボトルネックになっているケースが非常に多い 良い人材は他社も狙っています。選考プロセスを見直し、迅速な対応ができる体制を整えることで大きく改善できます。
  • 良い人材の採用では、自社は「選ばれる側」という意識を持つことが大切 日系企業の採用競争力は以前より低下しています。候補者に選んでもらえる面接と条件提示が求められています。

もし今回の内容を読んで「うちの会社はここが詰まっているかも」と感じた部分があれば、それだけでもこの記事を読んでいただいた価値があります。

次回以降の記事では、各ステップの具体的なポイントやテクニックを深掘りして解説していきます。タイでの採用活動を成功させるために、ぜひ引き続きご活用ください。

タイで人材採用にお困りの際はお気軽にRCXにお問い合わせください。
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