欧米・ローカル企業における給与水準・WFHについて
日系企業の給与水準や待遇が欧米企業やローカル企業に比べてどのような水準にあるのかということを皆様一度は気にしたことがあるかと思います。
そこで、外資企業(欧米企業)およびローカル企業(フィリピン企業)と日系企業との給与相場およびWFHの導入状況についてまとめました。
なかなか入手できない貴重な情報かと思いますので、是非ご一読頂けますと幸いです。
<アンケート概要>
調査内容:欧米・ローカル企業における給与水準・WFHについて
調査方法:弊社インターネットによるアンケート調査
調査期間:2023年6月6日〜6月17日
調査対象層:フィリピン人の20代〜50代の男女ビジネスパーソン
日系VS欧米企業・ローカル企業との給与相場の違い
ここでは、日系企業と比較した際の外資企業(欧米企業)およびローカル企業(フィリピン企業)の給与水準について、年齢別にまとめました。
※あくまで年齢別となりますので、役職・職種は考慮しておりません。
有効回答数2694(日系企業307、フィリピン企業1980,欧米企業407)
日系企業の給与水準を100とした場合の欧米企業・ローカル企業の給与水準(月給)の比較を以下に記載します。
日系企業の給与水準は、新卒採用時には欧米企業と比較してほぼ同じレベルですが、年齢とともに給与の差が拡大する傾向があります。
具体的には、30代では欧米企業のほうが日系企業より1.35倍給与が高く、40代では、1.49倍給与が高く、50代では1.54倍高いです。
一方、日系企業とフィリピンのローカル企業との給与水準を比較した際、20代では多少の差はありますが、30代以降はほとんど差がない状況になっております。
日系VS外資・ローカル企業とのWFHの導入状況
続いて、日系企業と比較した際の外資企業(欧米企業)およびローカル企業(フィリピン企業)のWFHの導入状況にまとめました。
有効回答数2481(日系企業286、フィリピン企業1816,欧米企業379)
※WFHが可能な職種のみを有効回答としております。
※四捨五入により合計が100%ならない場合があります。
日系企業では、WFHを導入している企業は25%に留まり、大半の企業がWFHを導入していないことが分かりました。また、フィリピンのローカル企業も日系企業と似た傾向を示しています。
本アンケートはWFHが可能な職種のみを有効回答としておりますが、日系企業のWFHの導入比率が低い背景として、製造業比率が高く、WFHが可能な職種であったとしても、製造現場との連携・会社の方針などでWFHの導入が難しいと推測します。
対象的に欧米企業はWFHの導入が進んでおり、全体の77%がWFHを導入しております。その中でも週5回のWFHが多いことがわかります。
これは、フィリピンに進出している欧米企業の大半がWFHが導入しやすいIT・金融・BPOであることが起因しています。
<有効回答における製造業比率>
・日系企業:製造業51%
・欧米企業:製造業15%
・ローカル企業:製造業23%
まとめ
欧米企業は日系企業よりも給与水準が高く、WFHの導入率が非常に高いということが分かりました。
前回のお役立ち情報で言及しましたが、通勤にかかる時間・費用・労力などからフィリピン人はWFHを強く好む傾向があります。
このような背景から採用面について日系企業は欧米企業と比べて不利になってるだけではなく、欧米企業への人材の流出も危惧されます。
特にWFHが容易なIT系の人材、経理や人事などのバックオフィス系の人材はWFH導入がない場合、WFH導入がある企業に転職する傾向があり、採用がますます難しくなっております。
一方、ローカル企業の給与水準は日系企業の給与水準とほとんど変わらなくなってきており、日系企業の優位性が給与面ではほとんど無くなってきていることが分かりました。
これらの情報をもとに、企業の戦略や方針を再考する際の参考としていただければ幸いです。これからも、皆様に有益な情報をお届けするために、最新の動向を追いかけてまいります。引き続きのご支援、どうぞよろしくお願い申し上げます。