タイの日本人向け求人まとめ|業種・職種・エリア・給与・採用条件をデータで徹底解説

「タイで日本人が働ける仕事って、どんなものがあるの?」
タイには約8,000社の日系企業が進出しており、東南アジアの中で日本人向けの求人数はダントツ1位です。しかし「どんな業種・職種が多いのか」「給与はいくらか」「未経験でも応募できるのか」という全体像は、意外と知られていません。
この記事では、RCXが保有する求人データと、インターネット公開されている日本人向け求人約800件をAIで分析したデータを統合し、タイの日本人求人市場の全体像を解説します。業種・職種・エリア・給与のランキングに加え、主要10職種の仕事内容・採用条件・給与を個別に深掘りします。
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タイの日本人求人市場の概要
JETROによると、2020年の時点で5,856社の日系企業がタイに進出し、外務省の統計では在タイ日本人は72,308人(2023年10月時点)に達しています。
タイの日系企業は東南アジア最多であり、日本人向けの求人数もダントツで1位。特に近年は、コスト削減の一環で駐在員から現地採用に切り替える動きが顕著になっており、現地採用の日本人の求人は増加傾向にあります。
一方で、タイでは「日本人1名を雇うごとにタイ人4名の雇用義務」があり、タイ国内の景気後退も相まって、企業が求める条件に合致する人材だけを厳選して採用する傾向が強まっています。5年前と比べてタイ就職の難易度は上昇しており、「売り手市場」の時代は終わりつつあります。
求人ランキング①:業種別|製造業が50%
タイで日本人を採用しているのは基本的に日系企業です。そしてその約半数が製造業です。
| 順位 | 業種 | 件数 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 製造業 | 404件 | 50.4% |
| 2位 | IT | 77件 | 9.6% |
| 3位 | 商社 | 65件 | 8.1% |
| 4位 | コンサルティング | 35件 | 4.4% |
| 5位 | 物流 | 32件 | 4.0% |
| 6位 | 小売 | 26件 | 3.2% |
| 7位 | 建設 | 24件 | 3.0% |
| 8位 | マーケティング | 20件 | 2.5% |
| 9位 | 会計・法律事務所 | 17件 | 2.1% |
| 10位 | 不動産 | 15件 | 1.9% |
| 11位 | BPO/コールセンター | 14件 | 1.7% |
| 12位 | 金融・保険 | 13件 | 1.6% |
| 13位 | 飲食 | 12件 | 1.5% |
| 14位 | 観光 | 8件 | 1.0% |
| 15位 | 教育 | 5件 | 0.6% |
製造業が圧倒的1位。タイは自動車産業をはじめとした「製造国」であり、日系企業の多くが製造業です。2位以下のIT・商社・物流・コンサルも、結局は製造業を支えるビジネスが大半を占めています。
RCXの自社求人データでも業種の傾向は同様で、製造業43%、商社・販社11%、IT10%、物流5%、建設業4%、マーケティング3%、コンサルティング3%、不動産2%、その他サービス19%となっています。
求人ランキング②:職種別|営業職が37%
| 順位 | 職種 | 件数 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 営業 | 295件 | 36.8% |
| 2位 | 製造業専門職 | 151件 | 18.9% |
| 3位 | コンサルティング | 48件 | 6.0% |
| 4位 | カスタマーサポート | 33件 | 4.1% |
| 5位 | 会計・経理 | 31件 | 3.9% |
| 6位 | ITエンジニア | 30件 | 3.7% |
| 7位 | 品質管理・保証 | 22件 | 2.7% |
| 8位 | セールスエンジニア | 21件 | 2.6% |
| 9位 | 事務職 | 21件 | 2.6% |
| 10位 | 建設・建築専門職 | 16件 | 2.0% |
| 11位 | マーケティング | 15件 | 1.9% |
| 12位 | 工場管理・工場長 | 14件 | 1.7% |
| 13位 | 購買 | 13件 | 1.6% |
| 14位 | 経営幹部 | 11件 | 1.4% |
| 15位 | 通訳・翻訳 | 5件 | 0.6% |
営業職と製造業専門職で全体の約6割を占めます。営業職の求人が多い理由はシンプルで、日系企業の日本人決裁者に対して、日本語で営業する人材が常に必要だからです。
RCXの自社求人データでも、営業職39%、製造業技術者30%、ITプログラマー8%、経理財務6%、コンサルティング4%、経営幹部2%、一般事務2%、コールセンター2%、士業1%、接客1%、その他5%と同様の傾向です。
求人が「ほとんどない」職種
| 職種 | 理由 |
|---|---|
| 経理を除く一般事務 | 書類がタイ語のためタイ人が担当。全体の3%未満 |
| 飲食店スタッフ | マネージャー以外は原則タイ人が採用される |
| 美容師・ネイリスト | ワークパーミットが下りない職種に該当 |
求人ランキング③:エリア別|バンコクに55%が集中
| 順位 | エリア | 件数 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 1位 | バンコク | 443件 | 55.3% |
| 2位 | チョンブリ | 131件 | 16.4% |
| 3位 | サムットプラカーン | 58件 | 7.2% |
| 4位 | ラヨーン | 41件 | 5.1% |
| 5位 | パトゥムタニ | 37件 | 4.6% |
営業・管理・コンサル・カスタマーサポートなどのホワイトカラー職はバンコクに集中。一方、製造業の求人はチョンブリ(シラチャ/アマタナコーン)、サムットプラカーン(バンボー/バンプリー)、ラヨーン(マプタプット)といった工業地帯に集中しています。
求人ランキング④:給与別|職種で大きく異なる
| 順位 | 職種 | 月給レンジ(バーツ) | 月給レンジ(円) |
|---|---|---|---|
| 1 | 経営幹部 | 100,000〜200,000 | 45万〜90万円 |
| 2 | コンサルティング | 100,000〜200,000 | 45万〜90万円 |
| 3 | 財務会計 | 80,000〜150,000 | 36万〜67.5万円 |
| 4 | 製造技術者 | 80,000〜130,000 | 36万〜58.5万円 |
| 5 | IT | 70,000〜120,000 | 31.5万〜54万円 |
| 6 | セールスエンジニア | 70,000〜120,000 | 31.5万〜54万円 |
| 7 | デザイナー | 70,000〜120,000 | 31.5万〜54万円 |
| 8 | 営業 | 60,000〜120,000 | 27万〜54万円 |
| 9 | 人事 | 60,000〜80,000 | 27万〜36万円 |
| 10 | 事務職 | 50,000〜70,000 | 22.5万〜31.5万円 |
| 11 | 接客 | 50,000〜80,000 | 22.5万〜36万円 |
| 12 | カスタマーサポート | 30,000〜60,000 | 13.5万〜27万円 |
タイでの日本人の最低賃金は月50,000バーツ(約22.5万円)です。タイは税金・社会保険の負担が軽く、手取り率は約88〜90%。月給50万円なら約45万円がそのまま手元に残ります。
また、昇給率の目安は一般社員で3〜5%、主任・課長クラスで2〜4%、部長クラスで2〜3%、役員クラスは業績連動です。
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主要10職種の仕事内容・採用条件・給与
1. 営業職(製造業)
タイの製造業で働く営業職は、主に日系メーカーの現地法人や商社で活躍しています。技術的な知識と営業スキルの両方が求められる傾向にあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月給相場 | 60,000〜100,000バーツ(約27万〜45万円) |
| 採用難易度 | 普通 |
| 求人割合 | 全体の約40%(サービス業含む営業全体) |
| 担当業界 | 自動車・部品メーカー、電機・電子部品、工作機械・産業機器、化学・素材 |
主な仕事内容は、既存顧客管理(日系企業を中心とした取引先との関係維持、定期訪問、製品提案)、新規開拓(展示会参加や市場調査を通じた新規顧客の開拓)、技術サポート(製品の技術的な説明、導入支援、アフターフォロー)、社内調整(本社や工場との製品仕様・納期調整、価格交渉)です。
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2. 営業職(サービス業)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月給相場 | 50,000〜100,000バーツ(約22.5万〜45万円) |
| 採用難易度 | 普通 |
| 担当業界 | IT・通信、金融・保険、人材・教育 |
主な業務内容は、商品・サービスの提案、市場調査、顧客管理、マーケティング活動です。
3. 製造技術職(生産管理・品質管理・設備保全)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月給相場 | 70,000〜130,000バーツ(約31.5万〜59万円) |
| 採用難易度 | やや高い(理工系出身が有利) |
| 求人割合 | 全体の約30% |
| 経験年数 | 3年以上が望ましい |
| 語学力 | 日本語ネイティブ、英語基礎レベル以上 |
| 細分化職種 | 主な業務 | 求められる経験・スキル |
|---|---|---|
| 生産管理 | 生産計画の立案、工程管理、現場改善指導 | 製造業での実務経験、マネジメント経験 |
| 品質管理 | 品質基準の設定、検査体制の構築、現場指導 | QC関連の知識、品質管理の実務経験 |
| 設備保全 | 設備メンテナンス、保守計画の立案、トラブル対応 | 機械保全の知識、設備管理経験 |
技術職は経験者が優遇されますが、理工系出身であれば未経験でもチャンスがあります。
4. ITエンジニア・プログラマー
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月給相場 | 70,000〜120,000バーツ(約31.5万〜54万円) |
| 採用難易度 | 普通〜やや高い |
| 求められる経験 | IT関連の実務経験1年以上 |
| 語学力 | 日本語ネイティブ、英語ビジネスレベル以上 |
| 働き方 | フレックス制度あり。リモートワーク可能な企業も |
日系企業のデジタル化推進に伴い、求人が増加傾向にあります。
5. 経理・財務
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月給相場 | 80,000〜150,000バーツ(約36万〜67.5万円) |
| 採用難易度 | やや高い |
| 主な業務 | レビュー業務、決算業務、税務業務、会計事務所との連携、本社報告 |
| 必須スキル | 経理経験、英語orタイ語 |
| 歓迎スキル | マネジメント経験 |
6. コンサルティング
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月給相場 | 100,000〜200,000バーツ(約45万〜90万円) |
| 分野 | 会計税務コンサル、ITシステムコンサル、人事コンサル、マーケティングコンサル |
7. カスタマーサポート・コールセンター
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月給相場 | 30,000〜60,000バーツ(約13.5万〜27万円) |
| 採用難易度 | 低い(未経験OK) |
| 必須スキル | 日本語ネイティブ(大卒) |
| 英語力 | 不問のケースが多い |
日本語ネイティブなら未経験OKのケースが多く、タイ就職の入口として非常に人気が高い職種です。1〜2年の経験を積んだ後に営業やIT、管理部門へキャリアチェンジするルートが定番です。
8. マーケティング
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月給相場 | 60,000〜100,000バーツ(約27万〜45万円) |
| 主な業務 | 市場調査、広告宣伝活動、ブランド戦略、SNS運用 |
特にSNSを活用したデジタルマーケティングの需要が高まっています。
9. 貿易・物流
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月給相場 | 60,000〜100,000バーツ(約27万〜45万円) |
| 主な業務 | 輸出入業務、物流管理、貿易書類の作成、通関業務 |
タイは製造業の中心地であり、貿易や物流業界での需要が高いです。
10. 人事・総務
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月給相場 | 60,000〜80,000バーツ(約27万〜36万円) |
| 主な業務 | 採用活動、社員管理、労務管理、福利厚生の整備 |
日本の企業文化やビジネス慣習に精通した人事担当者が求められます。
日系企業がタイで日本人を採用する理由
タイの企業が日本人を採用する主な理由は以下の通りです。
| 項目 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| コミュニケーション | 日本本社や取引先との円滑な意思疎通 | 商談、技術打ち合わせ、レポート作成 |
| ビジネス文化 | 日本式の品質管理や業務改善の導入 | 5S活動、カイゼン活動の推進 |
| 人材育成 | 現地スタッフへの技術指導や教育 | OJT指導、マニュアル作成 |
| 取引拡大 | 日系企業との取引機会の増加 | 新規取引先の開拓、商談機会の創出 |
福利厚生の導入率
タイで働く日本人向けの一般的な福利厚生の導入率は以下の通りです(RCX調査)。
| 福利厚生 | 導入率 |
|---|---|
| ビザ&ワークパーミット負担 | 9割超 |
| 健康診断 | 約8割 |
| 携帯電話支給 | 約7割 |
| 民間医療保険 | 約6割 |
| 通勤手当 | 約6割 |
| 赴任時の渡航費 | 約3割 |
| プロビデントファンド(退職金制度) | 約3割 |
| 住宅手当(5,000〜15,000バーツ/月) | 約2割 |
| 一時帰国手当 | 約2割 |
賞与は年1〜4ヶ月分(会社と職種による)です。
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未経験・新卒でも応募できる職種
| 職種 | 未経験採用 | 重視されるポイント |
|---|---|---|
| カスタマーサポート | ○ | 日本語ネイティブ、大卒 |
| 営業職(一部) | ○ | 25歳以下でコミュニケーション能力がある場合 |
| 事務職 | △ | 別分野で事務経験があり、語学力がある場合 |
| 技術職 | × | 経験、資格が必須 |
| IT職 | × | プログラミングスキル、経験が必須 |
タイの日系企業は「即戦力採用」が基本です。日本本社では数千人規模でも、タイの現地法人は数十名のベンチャー状態であることが多く、新人をじっくり育てる余裕がありません。経験がある人ほど有利な市場です。
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タイで日本人が求人を見つける方法
| 探し方 | 特徴 | メリット |
|---|---|---|
| 転職エージェント | 非公開求人含む豊富な情報量 | 企業情報や現地事情の詳細な説明が受けられる |
| 求人サイト | 公開求人のみ掲載 | 自分のペースで求人を探せる |
| 企業への直接応募 | 企業の採用ページから応募 | 興味のある企業に直接アプローチできる |
| 知人の紹介 | 現地日本人コミュニティ経由 | より詳しい社内情報が得られる |
複数の方法を組み合わせることがおすすめです。特に転職エージェントは、非公開求人へのアクセスやビザ取得サポートなど手厚い点が魅力です。
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よくある質問
Q. 英語は必須スキルですか?
必須ではありません。日系企業では英語スキルがなくても応募可能な求人が全体の約23%あります。ただし、英語力があることで選考を有利に進めることができます。
| 職種 | 必要な英語レベル |
|---|---|
| 営業(日系企業担当) | 社内コミュニケーションが英語でできる程度 |
| 技術職 | 技術文書が読める程度 |
| IT職 | 社内コミュニケーションが英語でできる程度 |
| コールセンター | 不問 |
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Q. タイ語は必要ですか?
日系企業では必ずしもタイ語は必須ではありません。全体の約7割の求人がタイ語不問です。ただし、タイ語ができると営業職や人事職で評価が高くなります。
Q. 現地面接は必要ですか?
コロナ禍以降、完全オンライン採用も増加しています。管理職ポジションは現地面接を求められることがありますが、一般職はオンライン完結のケースが多くなっています。
まとめ
タイの日本人向け求人市場は、製造業50%・営業職37%・バンコク55%という構造が特徴です。約800件のデータ分析から見えるのは、タイは日本人にとって東南アジアで最も求人が豊富な国であり、業種・職種ともに選択肢が幅広いということです。
給与のボリュームゾーンは月60,000〜80,000バーツ(約27万〜36万円)で、税金・社会保険の負担が軽いため手取りベースでは日本と同等かそれ以上になります。未経験や新卒でもコールセンターや一部の営業職で就職可能であり、タイでの実務経験を1〜2年積めばキャリアアップの選択肢も大きく広がります。
一方で、タイ就職の難易度は5年前と比べて上昇しています。企業は「完全にマッチした人材」を厳選して採用する傾向が強まっているため、自分の経験やスキルに合った求人を効率的に見つけることがこれまで以上に重要です。タイ就職に興味がある方は、まずはタイの求人市場に精通した転職エージェントに相談して、自分に合った選択肢を具体的にイメージするところから始めてみてください。
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