バンコク日系幼稚園の選び方|費用・立地・教育方針を徹底比較

バンコクへの駐在や移住が決まり、お子さんの幼稚園選びに悩んでいませんか?日本では当たり前のように通える幼稚園も、海外では選択肢が多く、費用や教育方針、施設の違いに戸惑う方も多いでしょう。特にバンコクには日系幼稚園が20園以上あり、どこを選べばよいのか迷ってしまうのは当然のことです。
バンコクの日系幼稚園は、日本の文化や教育を大切にしながらも、バイリンガル教育や充実した課外活動など、タイならではの特色を持っています。しかし、年間費用は100万円から200万円を超えるケースもあり、日本の無償化とは大きく異なります。立地やスクールバスのルート、園庭の有無なども、日本とは異なる視点で検討する必要があります。
この記事では、実際にお子さんをバンコクの日系幼稚園に通わせている保護者の方の経験をもとに、幼稚園選びの4つのポイント(立地・料金・教育方針・施設)を詳しく解説します。インターナショナルスクールとの比較や、言語教育の考え方についても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事は、RCXのYouTube動画の内容をもとに再構成したものです。
バンコクの日系幼稚園の概要
バンコクには、日本語を主要言語として教育を行っている日系幼稚園が20~30園ほど存在します。多くはアソークからエカマイにかけてのスクンビットエリアに集中しており、日本人が多く住むエリアと重なっています。
教育方針は基本的に日本の幼稚園と大きく変わらず、日本的な教育や行事(七夕、運動会、お餅つきなど)を大切にしています。一方で、日本との違いも3つあります。
| 項目 | 日本の幼稚園 | バンコクの日系幼稚園 |
|---|---|---|
| バイリンガル教育 | 一般的には少ない | 英語や中国語に触れる機会が多い園も |
| 費用 | 原則無償化 | 年間100万~200万円超 |
| 通園方法 | 徒歩・自転車が中心 | スクールバスが一般的 |
入園時期はほとんどの幼稚園が4月始まりですが、途中入園を受け入れている園も多いため、年度途中の赴任や移住でも安心です。
バンコクへの移住を検討中の方は、ビザや生活全般の情報も事前に確認しておくとスムーズです。


次のセクションからは、実際に幼稚園を選ぶ際の具体的なポイントを見ていきましょう。
幼稚園選びの4つのポイント
バンコクの日系幼稚園を選ぶ際には、大きく分けて4つの基準があります。それぞれのご家庭の優先順位に合わせて検討することが大切です。
| ポイント | 重要性 | 確認すべき内容 |
|---|---|---|
| ①立地 | ★★★ | 自宅からの距離、スクールバスのルート |
| ②料金 | ★★★ | 授業料、入学金、バス代、給食費など総額 |
| ③教育方針 | ★★★ | 日本語メイン or バイリンガル、設定保育 or 自由保育 |
| ④ファシリティ | ★★☆ | 園庭の有無・広さ、清潔感、給食の有無 |
この4つの視点から、ご家庭に合った幼稚園を絞り込んでいくことが、後悔のない選択につながります。
①立地:スクールバスのルートが重要
立地は最も重要なポイントの一つです。バンコクは渋滞が激しく、通常15分の距離でもラッシュ時には40分から1時間かかることも珍しくありません。幼稚園が朝8時や8時半に始まることを考えると、自宅から近い幼稚園を選ぶことが理想です。
しかし、それ以上に重要なのが「スクールバスのルートに自宅が入っているか」です。多くのお子さんがスクールバスで通園するため、自宅が近くても、バスのルートが遠回りになると、お子さんの負担が大きくなります。特に小さなお子さんの場合、長時間のバス移動はバス酔いの心配もあります。
スクールバスのルートについては、各幼稚園に問い合わせれば教えてもらえますので、入園前に必ず確認しましょう。
②料金:年間100万~200万円超が相場
バンコクの日系幼稚園の費用は、日本の無償化とは大きく異なり、年間で100万円から200万円を超えることもあります。授業料だけでなく、入学金、バス代、給食費、施設費、教材費、保険料、課外クラスなど、さまざまな費用がかかります。
| 費用項目 | 年間費用の目安(バーツ) | 年間費用の目安(円) |
|---|---|---|
| 授業料(最安) | 110,000 | 55万円 |
| 授業料(ボリュームゾーン) | 220,000~240,000 | 110万~120万円 |
| 授業料(最高) | 350,000 | 175万円 |
| 入学金(1回のみ) | 20,000 | 10万円 |
| バス代(月額5,000×12) | 60,000 | 30万円 |
| 給食費(月額1,500×12) | 18,000 | 9万円 |
すべての費用を合算すると、最安でも年間100万円、最高で200万円を超え、ボリュームゾーンは年間150万円程度です。月額に換算すると、安い園で7万~8万円、高い園で17.5万円、平均的には12.5万円程度になります。
兄弟割引制度がある園も多く、2人目以降の入学金が割引になったり、スクールバスが安くなったりするケースもありますので、複数のお子さんがいる場合は問い合わせてみましょう。
課外クラス(プール、体操、ピアノ、サッカー、英語、ムエタイなど)は選択制ですが、参加する場合は1回100バーツから600バーツ程度が追加でかかります。授業料だけを見て判断せず、トータルでいくらかかるのかを確認することが重要です。
タイ全体の生活費についても、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。


③教育方針:日本語メイン or バイリンガル
日系幼稚園の教育方針は、大きく2つに分かれます。
- 日本語メインの幼稚園:日本語で保育が行われ、日本の行事や文化を大切にする。日本の幼稚園とほぼ同じ環境を求める家庭に選ばれる。
- バイリンガルコースのある幼稚園:午前は日本語、午後は英語など、日によって言語を使い分ける。英語に触れる機会を増やしたい家庭向け。
ただし、バイリンガルコースに入れたからといって、英語がペラペラになるわけではありません。あくまで日本語がメインであり、英語に慣れる、抵抗感をなくすことが目的です。小さい頃から英語に触れておくことで、その後の英語学習のハードルが下がるというメリットはあります。
もう一つ重要なのが、「設定保育」か「自由保育」かという点です。
| 保育スタイル | 特徴 | 向いているお子さん |
|---|---|---|
| 設定保育 | 先生主導でカリキュラムに沿って進める | 構造化された活動が好きなお子さん |
| 自由保育 | 子どもたちがやりたいことを選んで遊ぶ時間を重視 | 自主性や創造性を伸ばしたいご家庭 |
お子さんの性格に合わせて、どちらのスタイルが合うかを考えることが大切です。
④ファシリティ:園庭の有無が重要
施設面で最も大きな違いは、「園庭があるかどうか、その広さ」です。バンコク中心部では土地が限られているため、ビルの中にある園や、園庭がない園も少なくありません。屋上を遊び場にしている園や、近くの公園まで出かける園もあります。
一方、広い敷地を持つ園では、園内にプールや砂場、遊具が充実しており、中には園庭内に池がある園もあります。タイは一年中暑いため、外遊びができる環境があるかどうかは、お子さんの運動や遊びの幅に大きく影響します。
その他、以下のポイントも確認しましょう。
- 空調:ほとんどの園でエアコンが完備され、室内は快適に保たれています。
- 給食:業者から取り寄せる園、お弁当持参の園、曜日によって異なる園など、園によって対応が異なります。
- 清潔感:日系幼稚園は基本的に清掃が行き届いていますが、施設の新しさや広さ、トイレの清潔さなどは、実際に見学して確認することをおすすめします。
延長保育と課外クラス
日系幼稚園の通常保育時間は、朝8時または8時半から始まり、14時または15時ごろに終わることが一般的です。共働き家庭にとっては、14時終了は早く感じるかもしれません。
そのため、多くの園では延長保育を提供しており、17時から18時まで預かってくれます。延長料金は、1時間100バーツ程度、または月額固定制の園もあります。
また、課外クラスを利用することで、実質的に延長保育の役割を果たすこともできます。放課後に課外クラスを取っていれば、15時半から16時ごろまで幼稚園にいることになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 通常保育時間 | 8:00~14:00または15:00 |
| 延長保育時間 | 17:00~18:00まで |
| 延長料金 | 1時間100バーツ程度、または月額固定 |
| 課外クラス | プール、体操、ピアノ、サッカー、英語、ムエタイなど |
課外クラスと延長保育をセットで考えることで、働きながらでも無理なく幼稚園生活を送ることができます。
実際の幼稚園選びの体験談
今回お話を伺った保護者の方は、実際に7つの幼稚園を見学し、最終的に3つに絞り込んだ上で、現在の幼稚園を選びました。
最初の絞り込みは「立地」でした。スクールバスのルートや自宅からの距離を考慮し、3つの候補に絞った後、再度それぞれを見学。実際の授業の様子、先生の熱心さ、そして何より「園庭があるかどうか」を重視したそうです。タイは暑くて外で遊べない日も多いため、せめて幼稚園では外遊びをさせてあげたいという思いが決め手になりました。
最終的には、配偶者とじっくり話し合い、お子さんが笑顔でいられる環境を最優先に選んだとのことです。
日系幼稚園 vs インターナショナルスクール
バンコクでは、インターナショナルスクールという選択肢もあります。しかし、今回お話を伺った方は、最初からインターは考えていなかったそうです。
その理由は、ご家庭の言語環境にあります。配偶者がタイ人で、家庭内では日本語とタイ語が混在しているため、まずは一つの言語(日本語)をしっかり身につけさせたいと考えたからです。
言語教育の考え方
言語教育には正解はありませんが、重要なのは「子どもは自分で言語環境を選べない」という点です。親が意図を持って言語環境を設定してあげる必要があります。
例えば、両親が日本人で学校では英語、家庭では日本語を使い分けていれば、両方ネイティブになる可能性はあります。しかし、家庭で使う日本語は「ご飯食べよう」「お風呂に入ろう」「早く寝なさい」など、定型的な表現に限られがちです。共働きの場合、子どもと接する時間は平日の夕方と週末だけになり、語彙が広がりにくいのが現実です。
そのため、子どもの語彙が広がるのは学校での場面が大きく、友達や先生と話したり、授業で学んだりする中で新しい言葉や表現を覚えていきます。だからこそ、学校で何語を使うかは非常に重要なのです。
実際、親が日本語で話しかけているのに、子どもが英語で返してくる家庭もあります。それが意図した結果であれば問題ありませんが、本当は日本語で会話したいと思っている場合は、学校選びの段階で慎重に考える必要があります。
英語は発音を除けば大人になってからでも十分身につけることができますが、日本語はひらがな、カタカナ、漢字、送り仮名、敬語、独特な言い回しなど、非常に複雑です。幼少期から自然に学ばないと、大人になってから習得するのは非常に困難です。
また、日本語はネイティブレベルでないと、日本人コミュニティに入っていきづらいという現実もあります。英語は非ネイティブが一般的ですが、日本語は「ネイティブであることが前提」とされる場面が多く、将来日本に住む可能性がある場合は、日本語をしっかり身につけておくことが重要です。
インターナショナルスクールとの違いについては、別記事で詳しく解説しています。


日系幼稚園とインターナショナルスクールの最大の違いは、価格を除けば「言語」です。日本語で育てるのか、英語で育てるのか。この選択は、お子さんの将来に大きく影響するため、ご家庭の事情や価値観に合わせて、じっくり考えることが大切です。
見学の重要性
ほとんどの日系幼稚園では、入園前の見学を受け付けています。見学に行くことで、先生と子どもの実際のやり取りや授業の雰囲気を直接感じることができます。
幼稚園はお子さんが初めて親から離れて過ごす場所です。特に海外では、環境が大きく変わるため、親自身が雰囲気を確認し、安心できる場所を選ぶことが非常に重要です。
写真やホームページだけでは分からない、トイレの清潔さ、教室の広さ、安全面、先生の対応などを、実際に足を運んで確認しましょう。複数の園を見学し、比較することで、ご家庭に合った園が見えてきます。
まとめ
バンコクの日系幼稚園選びは、立地、料金、教育方針、ファシリティの4つのポイントを軸に、ご家庭の優先順位に合わせて検討することが大切です。以下に重要なポイントをまとめます。
- 立地とスクールバスのルート:自宅から近いだけでなく、バスのルートに入っているかを必ず確認しましょう。渋滞の影響も考慮が必要です。
- 費用は年間100万~200万円超:授業料だけでなく、入学金、バス代、給食費、課外クラスなど、トータルの金額を把握しましょう。兄弟割引がある園もあります。
- 教育方針は日本語メイン or バイリンガル:お子さんの言語環境をどう設定するか、ご家庭の方針に合わせて選びましょう。設定保育か自由保育かも重要です。
- 園庭の有無と施設の充実度:外遊びができる環境があるか、清潔感や安全面も見学時に確認しましょう。
- 見学は必須:複数の園を実際に訪れ、雰囲気や先生の対応を直接確認することが、後悔のない選択につながります。
- 言語教育は親が設定する:子どもは自分で言語環境を選べません。日系幼稚園かインターかは、お子さんの将来を見据えて慎重に判断しましょう。
料金が高いからといって必ずしも良い幼稚園とは限りませんし、みんなが通っている園がお子さんに合うとも限りません。大切なのは、お子さんが笑顔でいられる環境を選ぶことです。
タイでの新生活を前向きにスタートするために、ぜひ実際に足を運んで、納得のいく幼稚園選びをしてください。皆さんのバンコク生活が、お子さんにとって実り多いものになることを願っています。











