バンコクのインターナショナルスクール選び完全ガイド|予算・カリキュラム・課外活動まで現地プロが解説

バンコクのインターナショナルスクールは、なんと約160校。情報を集めれば集めるほど迷子になる——そんな経験はないでしょうか。

この記事では、バンコクのインターナショナルスクール紹介・コンサルを行う「SGB(バンコクスクールガイド)」代表の竹川千明さんへのインタビューをもとに、学校選びで本当に見るべきポイントを整理しました。予算、立地、カリキュラム、課外活動の4つの軸から、具体的な費用感や注意点まで踏み込んでいます。

これからバンコクへの教育移住や母子留学を考えている方、すでにバンコクにいて学校選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。


目次

インター校選びの4つのポイント

バンコクには約260校(バンコク市内だけで約160校)のインターナショナルスクールがあります。年々増え続けており、ネットで情報を集めるだけでは堂々巡りになりがちです。

竹川さんによると、最初に以下の4つの軸で絞り込むと、候補は2〜3校にまで絞れるそうです。

ポイント内容
予算年間授業料+授業料以外の費用を含めたトータルコスト
立地自宅からの距離、通学時間、スクールバスの負担
カリキュラムアメリカ式・イギリス式・IB(国際バカロレア)など、将来の進路に合うか
課外活動放課後のクラブ活動・習い事の充実度

調べすぎて迷うよりも、まずこの4つで条件を決めてしまうのが近道です。


予算:授業料だけで判断すると痛い目を見ます

年間授業料の相場

バンコクのインター校の年間授業料は、おおよそ100万円〜500万円と非常に幅が広いです。100万円台の学校もあれば、最上位校では500万円近くになるケースもあります。

ただし、ここで注意していただきたいのは、これはあくまで「授業料だけ」の金額だということです。実際にはそれ以外のさまざまな費用が積み重なり、トータルの負担は授業料の印象よりもかなり大きくなります。

授業料以外にかかる費用の内訳

費目目安補足
入学金約10万〜60万円学校によって大きく異なる。初年度のみ
スクールバス代年間約30万円タイの新卒月給を超える水準。距離で変動
ランチ代年間10万円以上月あたり1万円超。長期休みを除くと月換算はさらに高い
英語サポートクラス(EAL)年間30万〜40万円英語が母語でない生徒は基本的に加入が必要
課外活動費学校により異なる学費に含まれる学校もあれば、別途請求の学校もある

たとえば、年間授業料が200万円の学校であっても、入学金・バス代・ランチ代・英語サポート費を加えると、初年度は300万円を超えることも珍しくありません。2年目以降は入学金がなくなるものの、英語サポートクラスは最低2年は継続するケースが多いため、年間の出費はなかなか下がりません。

「年単位」ではなく「トータル」で考えてください

竹川さんが繰り返し強調されていたのは、「1年の学費だけで判断しないでほしい」ということです。インター校は1年だけ通う場所ではなく、数年〜十数年通うことが前提になります。

たとえば小学校1年生から6年間通う場合、授業料だけでも600万〜3,000万円。これに毎年の諸費用が加わります。さらに中学・高校と進めば、学年が上がるにつれて授業料が上がる学校も多いです。

要するに、「この学校、授業料は安いな」と思っても、トータルで計算すると想定以上の金額になることがほとんどです。何年間通わせるのか、年間いくらまでなら教育費に充てられるのかを、入学前の段階でしっかり逆算しておく必要があります。


立地:「近さ」は想像以上に重要です

バンコクのインター校は朝8時前に授業が始まる学校が多いです。スクールバスを利用する場合、遠い家庭ほどバスの迎えが早く、6時台に出発というケースもあります。

バンコク特有の問題として、雨の日の渋滞や一方通行の多さがあります。バスが動かず通学に1〜2時間かかることも珍しくありません。小さいお子さんの場合はバス酔いやトイレの心配もあります。

実際、通学のストレスが原因で転校するケースもあるとのことです。竹川さんによると、スクールバスを使う家庭と徒歩圏内に住む家庭はおおよそ半々。学校の近くに住むか、親が車で送迎するのが安心だという声は多いそうです。


カリキュラム:将来の進路から逆算して選びましょう

主なカリキュラムの違い

バンコクのインター校には複数のカリキュラムがあります。特に長く通う場合は、進路への影響が大きいため慎重に選びたいところです。

カリキュラム特徴
イギリス式早い段階(中学〜高校)で専攻を決める。大学は3年間。専門性を早く固めたい家庭向き
アメリカ式自由度が高い。大学1年目はリベラルアーツ的にさまざまな科目を学べる。大学は4年間
IB(国際バカロレア)世界共通のカリキュラム。転勤族など、複数の国を移動する家庭に向いている
オーストラリア式数学・英語・理科などをしっかり学ぶ堅実なスタイル
シンガポール式中学教育に力を入れている傾向

つまり、「何式か」は単なる教育スタイルの違いではなく、将来どの国の大学を目指すか、いつ専攻を決めたいかに直結します。親の転勤の可能性も含めて検討すべきポイントです。


課外活動:日本の部活動とはまったく別物です

課外クラスの充実度がすごい

インター校では、放課後に学校内で「課外クラス(After School Activities)」が開かれます。日本のように習い事のために別の場所へ通う必要がありません。充実した学校では150クラス以上の選択肢があります。

主な活動の例を挙げると、スポーツ系ではサッカー、ゴルフ、テニス、バドミントン、水泳、ラグビーなど。文化系ではアート、ジュエリー制作、クッキング、ロボティクス、チェス、3Dプリンター、オーケストラなどがあります。

日本では見かけないSTEAM教育系(サイエンス・テクノロジー・エンジニアリング・アート・数学)のプログラムも多く、将来の進路を考えるきっかけにもなります。

日本の部活動との違い

項目日本の部活動インター校のクラブ活動
参加可能学年高学年〜中学以降1年生から参加可能
入部条件基本自由テスト(トライアウト)がある場合も
活動頻度ほぼ毎日週2回程度
変更の自由度年単位2ヶ月ごとに変更可能な学校も
大会参加放課後・休日平日に授業を休んで参加することも

授業では学べないことを学校の中で体験できるのは、働く親にとっても大きなメリットです。学費が高い学校では課外活動費が授業料に含まれている場合もあるので、ここも確認しておきましょう。


インター校と日本人学校、どちらを選ぶか

インター校のメリット

  • 国際的なカリキュラムで学べる
  • 多国籍のクラスメートと英語環境で過ごせる
  • 課外活動の選択肢が豊富
  • 施設が充実している学校が多い
  • 自由度が高く、子どもの個性を伸ばしやすい

インター校のデメリット・注意点

  • 日本語力の定着が難しい(家庭での補習や塾が必要になるケースが多い)
  • 生活マナーの教育が薄い(低学年にはアシスタント=ナニーさんがつくため、自分で片付ける・食事マナーを守るといった習慣が身につきにくい)
  • 給食の栄養面が心配(ビュッフェ形式で好きなものだけ食べる子も多い)
  • 親の英語力が問われる場面がある(特に学費の高い学校では三者面談や保護者参加イベントが多い)

竹川さんが強調されていたのは、「英語は大人になってからでも学べるが、マナーは小さい頃に培ったものが一生残る」という点です。自由度の高さは魅力ですが、家庭でのフォローは不可欠です。

判断基準は「逆算」

将来の進路から逆算して考えるのが一番の判断基準になります。

状況おすすめの方向性
3年後に日本へ帰国予定帰国後の進路を見据えてインターを選ぶ。帰国子女枠の活用も視野に
タイの次に別の国へ転勤の可能性あり早い段階からインター校へ。IBカリキュラムも検討
タイに長期滞在・定住予定教育方針とお子さんの性格に合わせて柔軟に
日本語の定着を最優先にしたいまず日本人学校→慣れてからインターへ転校も一つの手

日本人学校からインター校への転校は比較的多いパターンです。逆に、インター校の自由な環境から日本人学校の厳しい環境へ移るのは子どもにとって負担が大きいため、慎重に考えた方がいいでしょう。


英語力ゼロからインターに入るとどうなるか

英語が母語でない生徒は、入学後に英語サポートクラス(EAL)に入ります。通常の英語の授業を抜けて、別クラスで英語のフォローアップを受ける仕組みです。

学校側としては2年程度で卒業してほしいというのが本音です。ただし、学習言語としての英語が身につくには最低2〜3年かかると言われています。

時期英語力の目安
約1年後相手の言っていることがなんとなくわかるようになる
約2年後本格的に力がつき始める
2〜3年後学習言語として使えるレベルに近づく

伸びが早いのは、コミュニケーションが好きで自分から積極的に関わるタイプのお子さんです。逆に、インター校にいても日本人の友達とばかり遊んでいると習得に時間がかかります。

「9歳の壁」を意識しましょう

言語習得の臨界期は9歳前後と言われています。9歳以前に入学すると英語サポートクラスを抜けるのが早く、吸収も速いです。9歳を超えると「学習言語」としての英語習得になるため、時間がかかる傾向があります。

ただし、早く入れれば入れるほど日本語の定着は難しくなります。ここは家庭の教育方針とのバランスが問われるところです。


入学までの流れと準備

理想は1年前から準備を始めること

インター校は年間の半分近くが休みで、学校側もイベントが多いです。メールを送っても返事が遅かったり、見学したい日にイベントで対応できなかったりすることがあります。余裕を持って1年前から動き始めるのが理想です。

入学までのステップ

  1. 情報収集:4つのポイント(予算・立地・カリキュラム・課外活動)で候補を絞る
  2. 口コミ確認:検討中の学校に通わせている保護者の声を聞く
  3. 学校見学:実際に足を運んで雰囲気を確認する(旅行を兼ねてもOK)
  4. 入学試験の申し込み・受験:英語レベルのチェックと面談がある
  5. 合否通知:出願から約2週間で届く
  6. 入学手続き

オンラインで面談や試験を受けられる学校もありますが、大半の家庭は一度は現地を訪れて学校を見ています。親がいいと思っても子どもが嫌がる可能性もあるため、実際に見てから決めるのが安心です。

親の英語力について

親が英語を話せなくても入学自体は可能な学校が多いです。ただし、学費の高い学校ほど親の英語力を求める傾向があります。三者面談や保護者参加のイベントが英語で行われるため、親が関われないと子どもの学校生活から疎遠になってしまうリスクがあります。

日本人窓口を設けている学校もありますので、英語に不安がある場合はそこを「5つ目の選択基準」として加えるのもおすすめです。


まとめ

バンコクでのインターナショナルスクール選びで押さえるべきポイントを整理します。

  • 学校選びの軸は「予算・立地・カリキュラム・課外活動」の4つ。ここを先に決めれば候補は一気に絞れます
  • 授業料だけでなく、入学金・バス代・ランチ代・英語サポート費など「見えないコスト」を含めたトータルで計算してください。年間で数十万円単位の差が出ます
  • カリキュラム選びは将来の進路から逆算しましょう。イギリス式・アメリカ式・IBなど、それぞれ大学進学への道筋が異なります
  • 「どこがいい学校か」ではなく「わが家・わが子に合う学校はどこか」が最も大切な視点です
  • 英語は後からでも学べますが、マナーや生活習慣は幼少期の環境がそのまま残ります。自由度の高さの裏にあるリスクも理解しておきましょう

完璧な学校は存在しません。大事なのは、家庭の教育方針と子どもの性格に合った学校を、情報に振り回されずに選ぶことです。この記事が、その判断材料の一つになれば幸いです。


※この記事の内容をさらに詳しく知りたい方は、元のYouTube動画もあわせてご覧ください。実際のインタビューの空気感やニュアンスが伝わります。

バンコクのインターナショナルスクール選びについて個別に相談したい方は、SGB(バンコクスクールガイド)へ日本語でお問い合わせが可能です。

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